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今鹿の小話

こんにちは、今鹿です。


劇団月光斜2015年度夏公演
「マカダミアナッツ殺人事件」が
大盛況のなか幕を下ろしました。


ご来場くださった皆様、
ありがとうございました。



今日の今鹿は長文注意ですよ。

今回の脚本についての小話だったり
細かい演出だったりの話をして
回顧録としようかなと思います。





実はですね、
当初このタイトルには
副題がついておりまして……



マカダミアナッツ殺人事件
  ~愛と嫉妬の落伍者たち~



というタイトルだったのです。


あえて、昭和のワイドショーチック
といいますか、

本タイトルとギャップのある
厳めしい副題をつけて
興味を引こうと画策したのですが
見事に部員の反対を受けまして……笑

今回のスリムなタイトルと
なったわけです。


ま、結果としてこれはよかったと
思います。


今回の公演で掲げていたテーマが

「おしゃれでカッコよく」

だったので上手く活きたと思います。


この「おしゃれでカッコよく」は
終始一貫して、
一度もブラすことなく
指示を出していました。


演出のわがままの行き届いた
公演でしたね。


舞台上のガラクタや壁のポスター、
窓やドアは僕のわがままで
用意してもらいました。


照明で特徴的だった
熊呑の部屋のオレンジやバケツランプ、
アリバイを聞いて回る際のサスは
僕のわがままです。


音響効果のきっかけ曲や
ダンス曲の一部は
僕の用意したわがままです。


ダンスの時に "KEEP OUT" テープと
ポールを使ってくれ!!
と注文したのは僕です。


ビラのあらすじも僕の自作です。




めんどくせぇ~……




と思われたはずですよ。笑

でもこれが今回演出をするうえでの
僕のモットーでした。



「面倒くさい演出になろう」



うわぁ……面倒くせぇ……


皆かなり悪戦苦闘してましたね。
僕はそれを眺めてましたね。
妥協はしませんでしたね。

やり遂げてくれた部署の皆さんには
感謝しておりますです、はい。





ここで突然カミングアウトしますが、

本当は僕、夏公演では
演出したくなかったんですよ。

普通の演出作業の他に
新入生や初役者の指導が
待っているので。笑

仕事が増えるんですよね。
心配が増えるんですよね。
禿げそうになるんですよね。


冬公演で演出したかったんです、
当初は。

なので脚本も最初は冬の設定でした。

冒頭で熊呑が
「汗がにじんでる、歩いてきたんでしょ?」
と熟に対して言う台詞がありましたがあれも
「服が雪で濡れてる、歩いてきたんでしょ?」
でした。



今回の演出ではかなり多くの
ミスリードを詰めこんでいます。

被疑者3人を演じた役者には
あえてそれは伝えず、
動きとしてそれが自然に見えるように
動かしていました。

「ここの動きがミスリードだ」とか
伝えてしまうと、
本来罪はない被疑者3人に
余計な怪しさを与えてしまうと
思ったからです。

純粋に「この瞬間にこう見えるから怪しい」という
見た目での判断で演出をつけました。

言ってみれば見てるお客様の目線、
と云いますか。

「あっ、今の怪しいぞ」ってのを
追求しましたね。



その裏で地味に怪しい演技を
させていたのが早根早起です。

彼を演じた波愛離夜も
自ら率先して見る人が見ればわかる
ギリギリのラインを狙う怪しい演技を
してくれました。


例えば、停電中に射駒が倒れ
電気がついたとき

全員が射駒の方を向いている中、
早根だけ背を向けていたんです。


うめき声の方に注目するはずなのに
背を向けている……

怪しいですねぇ~……


また、守御睦を真犯人として
追いつめるシーンで
熟との対決を望む香母酢を
たしなめようとするところにも
若干の動揺を。


さらに熟が最後にエタノールの
特殊な現象について話しているとき

彼のメモを取る手は止めさせ
顔色には少しの焦りが出るように
指示してあります。


でもこれはおそらく
二度目にご来場のお客様にしか
わからないくらいの
細やかな演出だったと思います。

まぁ「二度見て楽しい」みたいな。

そんな推理ものができたらいいなと
思っていたので。




あとあれには感心しましたね、

前説です。


あれ僕の指示が一切ないんですよ。
波愛離夜と涼蘭が作ったんです。

そのくせ、
始まりの絶妙な導入を作ったり
上手く遅刻を強調していたりして。

ワクワクさせるのが巧みな
前説でしたね。


ラストの「僕が寝坊しなければ!」と
前説の遅刻厳禁が繋がるって
巧妙ですよねぇ、一本とられました。



このように役者からの愛にも
スタッフからの愛にも満ちた
公演でした。


脚本では「愛」を盛大に dis ってるのに
公演自体は愛に満ちてるって
それなんてツンデレ?笑




はい、演出はですね
正直たのしかったです。

孤独ではなかったですよ。

むしろしつこいくらいでしたよ皆。

LINEの通知がひっきりなしでしたよ。



僕の役者していたときに溜まった
フラストレーションはすべて
発散されました。


役者ひとりでは公演は
変えられませんが、
演出になってしまえば創造主
ですからね。



でもやっぱり疲れました。


はい。



あ、ラストの熊呑の語り、
予想外に好評だったので
ここに載せておきますね!!!笑




過去の罪は
償うものじゃなくて
一緒に生きるものだ
昔あっての今
過去の自分を
殺すな




この脚本のテーマは「愛」でした。

それもキレイではなく汚い部分の。


副題のなかに「落伍者」という
ワードが登場しましたが、

あれには「置いてかれた人々」という
意味が込められています。


それぞれ愛に起因して
置いてかれた人々と置いていく人々に
分かれているんです。


まず、置いていく人々は
香母酢、射駒、田和々。


それぞれ、
早根、永砂、守御
を置いていきます。


それに加えて熊呑も
社会から置いてかれた女の子
なんですよね。
そこには愛が起因しています。

父親からのDV、そして殺人。
本編ではあえてぼかして
表現していますが。


すごぉ~くわかりにくいんですが、
早根の起こした事件と熊呑の過去は
まったく関係ないわけではなく
どちらも愛が関係しているんです。


だからこそ、
最後に警官に連行される早根の姿を見て
熊呑はなにかを考えるわけです。




ここで説明するなら
最初からわかりやすく演出つけろよ!



となるのは重々承知しておりますが
僕自身、自分でもなにを思って
あの脚本を書いたのか不明瞭なので
それを見出だすためにも
メモ書きのような役割で
この文書を書いています。



はい。



ここまで読んでくださり
ありがとうございました。

自分勝手な駄文、失礼致しました。



この5ステージを以て
熟八路丸を初めとした12人のキャストは
姿を消しました。

しかし、ここから新たな月光斜が
始まります。

新入団員を加えて
さらに活気づいた劇団月光斜を
今後ともよろしくお願い致します。



次の公演もぜひお越しくださいませ。



今鹿
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